GPT-6 AstraでKiCad設計――基板製造データの提出とJLCPCBでの部品チェック
KiCadでのパターン設計が、ようやく終わりました。
次は製造データを作成し、基板メーカーへ提出する工程です。今回はJLCPCBへ基板製造と部品実装を依頼しました。
GPT-6 Astraには、KiCadの設計データからGerberデータや部品表など、提出に必要なデータを作成してもらいました。私は作成されたデータを確認し、JLCPCBの画面からアップロードしました。
ファイルを提出した後は、JLCPCB上で各部品が正しく割り当てられているかを確認する必要があります。今回は、大きな部品を中心にJLCPCBの画面をスクリーンショットで保存し、その画像をGPT-6 Astraと一緒に確認しました。
以前の発注では、部品に関する追加確認が何度か発生することがありました。しかし今回は、提示されたチェックポイントを確認するだけで、比較的素直に発注工程が進みました。

Astraに製造データを作成してもらった
PCBの設計が終わっても、そのままKiCadのファイルを製造メーカーへ送ればよいわけではありません。
基板製造や部品実装を依頼するためには、製造工程に合わせたデータを用意する必要があります。
今回、GPT-6 Astraに作成してもらったのは、Gerberデータや部品表を含む製造データ一式です。
Gerberデータには、銅箔、レジスト、シルク、外形など、基板を製造するための情報が含まれます。部品実装を依頼する場合には、部品表に加えて、各部品を基板上のどこへ、どの向きで搭載するかを示すデータも必要になります。
今回は、こうした提出用データの作成をGPT-6 Astraへ任せました。
製造データを一つずつ手作業で出力し、ファイルを整理する作業は、それほど難しいものではありません。ただし、必要な層を選び、正しい設定で出力し、提出ファイルをそろえる必要があります。
設計が終わった直後は、どうしても早く発注したくなります。そのようなときほど、ファイルの不足や設定ミスが起こりやすいため、提出データの作成までAstraに補助してもらえるのは助かりました。
JLCPCBへの提出はファイルのアップロードが中心
今回はJLCPCBを利用しました。
提出用データがそろっていれば、基本的にはJLCPCBの発注画面へファイルをアップロードし、基板仕様や実装条件を確認して進めます。
Gerberデータをアップロードすると、基板の外形や各層の状態を画面上で確認できます。部品実装を依頼する場合は、部品表などもアップロードし、JLCPCB側の部品情報と対応させます。
ただし、ファイルをアップロードできたからといって、それだけで発注内容が正しいとは限りません。
特に部品実装では、次の点を確認する必要があります。
- 回路図で指定した部品とJLCPCB側の部品が一致しているか
- LCSC番号が正しいか
- パッケージとフットプリントが一致しているか
- 部品の極性や向きが正しいか
- 部品の実装面が正しいか
- 大型部品やコネクタの外形が正しいか
- 欠品や在庫不足が発生していないか
- 代替部品へ意図せず変更されていないか
この確認は、製造データを作成する作業とは別に必要です。
大きな部品はスクリーンショットで確認した
今回は、大きな部品を中心に、JLCPCBの確認画面を一つずつスクリーンショットで保存しました。
その画像をGPT-6 Astraへ渡し、画面に表示されている部品と、設計で想定している部品が一致しているかを一緒に確認しました。
対象となるのは、コネクタ、ターミナル、大型ICなど、部品を取り違えたときの影響が大きいものです。
画面上には、部品写真、型番、パッケージ、在庫情報などが表示されます。人間が一つずつ確認することもできますが、部品数が多くなると見落としや思い込みが入りやすくなります。
GPT-6 Astraは画像の確認がかなり得意で、スクリーンショットに表示された情報を読み取り、設計上の部品情報と照合する補助に使えました。
もちろん、Astraの回答だけで発注を確定したわけではありません。
私はAstraの指摘を確認し、自分でも部品写真や型番を見て、最終的な判断を行いました。
一人で確認していたときより見落としを減らせた
これまでは、JLCPCBの画面を一人で見ながら、部品が正しいかどうかを確認していました。
部品写真、型番、パッケージ、在庫などを順番に調べ、「これは合っている」「これは少し違うかもしれない」と判断していきます。
一つずつ確認すれば進められますが、部品数が多いとかなり集中力が必要です。似た型番や外形の部品もあるため、思い込みで先へ進めてしまう可能性もあります。
今回は、スクリーンショットをGPT-6 Astraにも確認させたことで、自分以外の視点が加わりました。
人間とAstraで同じ画面を確認し、気になる点があれば止まって調べる。この進め方にしたことで、見落としを減らせた感覚があります。
以前は発注後に、部品について「この内容でよいか確認してください」という連絡が何度か来ることがありました。
今回は、JLCPCB上で提示されたチェックポイントを確認するだけで、その後は比較的素直に進みました。事前に部品情報を整理し、画面上でも確認したことで、手戻りが少なくなったのではないかと感じています。
ただし、追加確認が少なかったことが、すべてGPT-6 Astraによる効果だったと断定はできません。基板や選定部品、JLCPCB側の確認内容など、ほかの条件も関係している可能性があります。
AIが行った作業と人間が行った作業
今回、GPT-6 Astraへ任せた主な作業は次のとおりです。
- KiCadデータから提出用ファイルを作成する
- Gerberデータや部品表などを整理する
- JLCPCBの部品確認画面を画像から読み取る
- 部品写真、型番、パッケージなどの確認を補助する
- 不一致の可能性がある箇所を指摘する
一方、人間側では次の作業と判断を行いました。
- KiCadの設計を完成させる
- 作成された提出データを確認する
- JLCPCBへログインする
- 製造データをアップロードする
- 基板仕様と実装条件を指定する
- 確認が必要な画面をスクリーンショットで保存する
- Astraの確認結果を見て、採用する部品を判断する
- JLCPCBへの発注内容を最終確認する
今回は、GPT-6 AstraがJLCPCBへ自動的にログインし、発注操作をすべて行ったわけではありません。
製造データの作成と画像による部品確認にはAstraを使いましたが、アップロードや発注内容の確定は私が行っています。
今回は画面操作の自動化までは行わなかった
GPT-6 Astraには、ログイン後のブラウザ画面を操作させる方法もあるようです。
今回はそこまでの準備が間に合わなかったため、JLCPCBの画面操作そのものは自動化していません。
私がJLCPCBへログインし、確認したい画面のスクリーンショットを取得して、Astraへ渡しました。
今後は、私がログインした後の画面操作をAstraへ任せ、部品の割り当てや実装位置を順番に確認させる方法も試したいと考えています。
例えば、次のような流れです。
- 人間がJLCPCBへログインする
- 製造データをアップロードする
- Astraが部品確認画面を順番に開く
- BOMと選択部品を照合する
- 部品写真、型番、パッケージ、在庫を確認する
- 判断が必要な箇所で作業を停止する
- 人間が内容を確認して承認する
- Astraが次の確認へ進む
- 最終的な発注は人間が確定する
これは今後試したい方法であり、今回すでに実行できた作業ではありません。
特に、ログイン後の外部サイト操作や発注確定については、操作範囲を明確にし、人間による確認を残す必要があります。
製造データ提出まで含めて設計工程になった
今回、GPT-6 Astraを使って感じたのは、AIの利用範囲がKiCad内の回路図やPCB編集だけで終わらなくなってきたことです。
KiCadで設計を行い、製造データを作成し、JLCPCBへ提出し、部品の対応を確認するところまで、一連の作業としてつながってきました。
以前は、それぞれの工程を一人で順番に処理していました。
今回は、製造データの作成をAstraへ任せ、JLCPCBの部品確認も画像を見せながら進めました。それだけでも、発注時の確認負担はかなり小さくなりました。
特に部品確認では、画面の画像をAstraと一緒に見られることが便利でした。自分一人で長い部品リストを追い続けるより、確認漏れを見つけやすくなります。
まだ発注操作を完全に自動化したわけではありません。それでも、
「KiCadで設計する → 製造データを作る → JLCPCBへ提出する → 部品を確認する」
という流れのかなりの部分で、GPT-6 Astraを利用できました。
今回、通常より追加確認や手戻りが少なく、比較的素直に製造工程へ進められたことは、非常に助かりました。
English Summary
This article describes how I used GPT-6 Astra to prepare manufacturing data from a completed KiCad PCB design and assist with component verification on JLCPCB.
After completing the PCB layout, I asked Astra to generate and organize the required manufacturing files, including Gerber data and the bill of materials. I then reviewed the files and uploaded them to JLCPCB.
Component verification was still necessary after the upload. For large and important parts, I captured screenshots of the JLCPCB component-selection screens and reviewed them together with Astra. Its image-analysis capability helped compare component photographs, part numbers, packages, and inventory information with the intended design.
Astra assisted with data preparation and visual checking, but I logged in to JLCPCB, uploaded the files, reviewed the results, and made the final decisions.
In previous orders, I sometimes received several additional questions about component selections. This time, the process progressed with fewer clarifications after I checked the requested points. However, I cannot conclude that this was entirely due to Astra, because other factors may also have contributed.
I did not automate the JLCPCB browser operation during this project. In the future, I would like to test a workflow in which Astra operates the interface after I log in, checks components one by one, stops when engineering judgment is required, and leaves the final order approval to the human designer.
