5SQ Zynq基板――GPT-6 Astraによる回路図レビュー | 有限会社 FPGAインフォメーション

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5SQ Zynq基板――GPT-6 Astraによる回路図レビュー

今回から、「5SQ Zynq基板――完成への道のり」というシリーズを始めます。

この基板は、5cm角にZynqを搭載した自作基板です。これまでの「GPT-6 AstraでKiCad」シリーズでは、回路図の確認、部品選定、フットプリントの訂正、PCBの配置配線、JLCPCBへ提出する製造データの作成までを紹介してきました。

前回までは、JLCPCBへデータを提出して、基板の製造を待つところで止まっていました。

今回からは、その先です。

実際に届いた基板を使って、電源投入、JTAG認識、FPGA・Zynqの動作確認、不具合修正など、基板が完成へ近づいていく過程を紹介していきます。

RevAはGPT-6 Astraの登場前に設計していた

最初に届いたのは、5SQ Zynq基板のRevAです。

このRevAは、8月中に設計データを提出していました。その後、9月に入った頃にGPT-6 Astraが登場しました。

つまり、RevAの回路設計と製造データの提出には間に合っていません。

その後に始めた「GPT-6 AstraでKiCad」のシリーズでは、ChatGPTからKiCadの設計データを確認・編集できることを実際に試しました。

これは、私にとってかなり衝撃的でした。

これまでもChatGPTを部品調査やデータシートの確認に使っていましたが、GPT-6 Astraでは、KiCadの回路図やPCBデータそのものを読み取り、設計内容を具体的に確認できるようになりました。

そこで、すでに製造へ出していたRevAについても、試しにGPT-6 Astraで回路図レビューを行ってみることにしました。

製造後の回路図をAstraに確認させた

RevAの基板は、すでに製造されて手元へ届いていました。

通常であれば、基板が届いた後は、電源系統を確認してから実際に電源を入れ、JTAGや各インターフェースの動作確認へ進みます。

しかし今回は、その前にGPT-6 Astraへ回路図を確認してもらいました。

「もう基板は出来上がっているので、今さら回路図を確認しても遅いのではないか」という見方もあります。

それでも、実際にレビューを行う意味はありました。

RevAに問題が見つかったためです。

RevAの問題が見つかった

GPT-6 Astraは、RevAの回路図に含まれる部品と接続を確認し、関連するデータシートも調査しました。

その結果、回路上の問題を指摘されました。

この時点では、まだ実際に電源を入れて動作確認を行う前でした。完成した基板へいきなり電源を入れ、動かないことが分かるよりも、事前に問題を指摘されたことで、精神的なショックは多少小さくなりました。

もちろん、すでに基板は製造されています。問題が見つかったからといって、RevAの基板が自動的に直るわけではありません。

それでも、電源投入前に問題の存在を把握できれば、危険な箇所を避けながら確認できます。必要であれば、リワークや外部回路による対策を検討したうえで試験を始められます。

設計が終わってからの回路図レビューにも意味があると感じた出来事でした。

人間による確認の甘さを改めて感じた

今回、GPT-6 Astraに問題を指摘されて、改めて人間による確認の難しさを感じました。

回路図を作成している本人は、設計の意図を知っています。そのため、自分が正しいと思い込んでいる部分については、確認しているつもりでも見落としやすくなります。

特にZynq基板では、確認しなければならないデータシートや設計条件が多くあります。

電源の投入順序、リセット、起動条件、各バンクの電圧、DDR、QSPI、eMMC、USB、Ethernetなど、それぞれに確認事項があります。設計者がすべての条件を同時に覚え、回路図へ完全に反映するのは簡単ではありません。

GPT-6 Astraは、多数のデータシートを調べながら、回路図上の接続や部品の使い方を確認しました。

AIが最終的な設計責任を持つわけではありません。しかし、人間とは違う方法で回路図を調べ、見落としていた問題を指摘するレビュー担当として、かなり役に立つと感じました。

AIの指摘と人間の判断は分けて考える

今回、GPT-6 Astraが行ったのは、回路図とデータシートを確認し、問題の可能性がある箇所を指摘することです。

一方、その指摘が実際の基板でどのような影響を与えるのか、RevAをどこまで試験できるのか、リワークするのか、RevBで修正するのかを判断するのは人間です。

AIが問題を指摘しただけで、基板が動かないと断定することはできません。実際の部品、電源状態、実装状態、FPGA設定なども含めて確認する必要があります。

今回も、Astraの指摘内容をもとに、私が回路図とデータシートを再確認し、実機確認の進め方を判断しました。

このように、

「AIが問題候補を見つける」

「人間が内容を確認する」

「実機で確認する方法を決める」

という役割分担が重要です。

完成後でも回路図レビューは役に立つ

製造済みの基板に対して回路図レビューを行うのは、タイミングとしては遅いように見えます。

しかし、実際には次の意味があります。

  • 電源投入前に危険な箇所を把握できる
  • 動作しなかった場合の原因候補を事前に整理できる
  • リワークできる問題か判断できる
  • 次のリビジョンで修正する内容を明確にできる
  • 実機試験の順番を決められる
  • 同じ問題を次の基板へ持ち越すのを防げる

今回、RevAの製造後にGPT-6 Astraで回路図を見直したことで、電源投入前に問題の存在を確認できました。

基板が届いたら、すぐに電源を入れて試したくなります。しかし、その前にもう一度回路図をレビューする工程を入れることは、想像以上に重要だと感じました。

5SQ Zynq基板の完成までを記録する

今回の記事は、「5SQ Zynq基板――完成への道のり」の導入です。

RevAの基板は完成しましたが、基板が製造されたことと、製品として正常に動作することは別です。

これから、GPT-6 Astraによる回路図レビューで見つかった問題、RevAの実機確認、リワーク、RevBへの修正、電源確認、JTAG認識、Zynqの動作確認などを順番に紹介していきます。

最初から問題なく完成した基板ではありません。

むしろ、設計上の見落としや修正を含めて、どのように完成へ近づけたのかを残した方が、実際のFPGA・プリント基板開発の記録として役に立つと思っています。

次回以降は、GPT-6 AstraがRevAの回路図から実際に何を見つけたのか、具体的な問題点を紹介します。

English Summary

This article begins a new series documenting the path toward completing my 5SQ Zynq board, a custom 5 cm square Zynq-based PCB.

The earlier GPT-6 Astra and KiCad series covered schematic review, component selection, footprint correction, PCB placement and routing, and preparation of manufacturing data for JLCPCB. This new series continues from the point at which the manufactured board arrived.

The first revision, RevA, had already been submitted for manufacturing before GPT-6 Astra became available. After receiving the board, I decided to let Astra review the schematic before applying power.

Astra examined the schematic together with the relevant component datasheets and identified problems in the RevA design. Although the board had already been manufactured, discovering these issues before power-up was still valuable. It reduced the risk of testing the board without understanding its possible faults and helped determine what should be inspected, reworked, or corrected in RevB.

The experience also reminded me how difficult human design reviews can be. A Zynq board involves many interconnected requirements, and assumptions made during design can lead to overlooked errors.

GPT-6 Astra did not make the final engineering decisions. It identified potential issues, while I reviewed the findings and decided how to proceed with the physical board.

Future articles will describe the specific problems found in RevA, the hardware tests, the required modifications, and the development of RevB.

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