5SQ Zynq基板――RevAで見つかった問題とRevBへの改修 | 有限会社 FPGAインフォメーション

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5SQ Zynq基板――RevAで見つかった問題とRevBへの改修

前回は、完成した5SQ Zynq基板のRevAに電源を入れる前に、GPT-6 Astraで回路図をレビューしたところまでを紹介しました。

レビューによって、RevAには大きく二つの問題が見つかりました。

一つはUSBコネクタのフットプリント、もう一つはDDR用電源回路の制御端子です。

このままでは当初想定した状態で動かせないと判断し、RevAを無理に完成させるのではなく、問題を修正したRevBを作ることにしました。

一つ目はUSBコネクタの穴だった

最初の問題は、USBコネクタのフットプリントです。

基板に設けた穴が丸穴になっており、使用するUSBコネクタに対してサイズも小さくなっていました。そのため、製造された基板へコネクタを正しく取り付けられない状態でした。

これはGPT-6 Astraを使い始める前、GPT-5.6を使っていた時期に作成した設計です。当時もChatGPTを使って確認していましたが、この問題は見つけられませんでした。

回路図上のUSB信号が正しく接続されていても、コネクタを物理的に取り付けられなければ使えません。

電気的な接続確認だけでは発見できない、フットプリントと実部品の機械的な不整合でした。

二つ目はDDR用電源回路の制御論理だった

もう一つの大きな問題は、DDR用電源を作る回路です。

DDR用電源ICのセレクト端子、またはイネーブル端子として使用していた端子の論理が、想定と逆になっていました。

有効にするための論理レベルを反対に理解していたため、設計した状態ではDDR用電源が意図どおりに起動しません。

Zynq自体の電源が入ったとしても、DDR用電源が正常に立ち上がらなければ、DDRを使用した本来の構成では動作させられません。

しかも、対象となるICは非常に小さな部品です。完成済みのRevA基板上で配線を切り替えたり、部品周辺をリワークしたりするのも簡単ではありません。

RevAの修正ではなくRevBを作ることにした

USBコネクタを取り付けられず、DDR用電源も意図どおりに動かないことが分かったため、RevAをそのまま完成させるのは難しいと判断しました。

部分的な動作確認やリワークの可能性は残っていましたが、基板全体を本来の用途で使用するには、改版した方が確実です。

そこで、問題を修正したRevBを作ることにしました。

ここでRevBを作ると決めたのは人間側の判断です。GPT-6 Astraは問題の調査や修正案の検討を行いましたが、RevAをどこまで使うか、リワークするか、新しい基板を作るかという最終判断は私が行いました。

RevBではUSBとDDR用電源を改修

RevBでは、まずRevAで見つかった二つの問題を修正しました。

USBコネクタについては、実際のコネクタ形状に合わせてフットプリントを見直しました。穴の位置や大きさを確認し、基板へ取り付けられる形へ変更しています。

DDR用電源回路については、データシートを再確認し、制御端子の論理が正しくなるように回路を修正しました。

単にネット名を変更するのではなく、電源がどの条件で有効になり、ZynqやDDRの起動とどのような関係になるのかも確認する必要があります。

この段階ではGPT-6 Astraが利用できたため、データシートと回路図を照合しながら修正を進めました。

リセット回路も追加した

RevAのレビューでは、リセット周辺にも警告が出ていました。

USBコネクタやDDR用電源の問題とは性質が異なり、この時点で同じ意味の確定した不具合として扱ったわけではありません。しかし、安定した起動のためには見直した方がよいと判断し、RevBではリセット回路を追加しました。

Zynqでは、電源が入ったことと、正しいタイミングでリセットが解除されることは別の問題です。

電源電圧が十分に立ち上がる前にリセットが解除されたり、必要なリセット信号が適切に生成されなかったりすれば、起動が不安定になる可能性があります。

そのためRevBでは、電源状態を考慮したリセット回路を加える方針にしました。

外部ライブラリのフットプリントも見直した

RevBでは、二つの大きな問題だけでなく、基板内で使用しているほかのフットプリントも確認しました。

今回の設計では、KiCadの標準ライブラリだけでなく、外部から取得した無料ライブラリのデータも使用していました。

外部ライブラリは便利ですが、登録されているフットプリントが実際の部品と完全に一致しているとは限りません。

今回も、データシートの外形、端子間隔、パッド寸法、穴径などと合わないものが複数見つかりました。

これまでであれば、適切なフットプリントが見つからなければ、人間がデータシートを読みながら作る必要がありました。フットプリント作成は確認項目が多く、慣れていなければかなり時間がかかります。

Astraは「なければ作る」ところまで進めた

GPT-6 Astraを使って特に驚いたのは、既存のフットプリントが合わない場合に、代替候補を探すだけで終わらなかったことです。

使用できるフットプリントがなければ、データシートに記載された寸法をもとに、新しいフットプリントを作成するところまで進めました。

実際には、次のような項目を確認する必要があります。

  • 端子数と端子番号
  • パッドの位置と寸法
  • 端子ピッチ
  • 部品外形
  • スルーホールの穴径
  • シルク表示
  • コートヤード
  • 部品の向き
  • 実装時の原点

Astraが作成したデータを無条件に採用したわけではありません。最終的には、私がデータシートと照合し、実部品へ適用できるかを確認しました。

それでも、調査から作成まで進めてもらえることで、フットプリント修正の作業効率は大きく上がりました。

少なくとも今回使用する範囲では、RevBへ採用できるフットプリントを作成できたと判断しています。

【画像:GPT-6 Astraが作成・修正したフットプリント】

RevBはAstraとのレビューから始まった

RevAは、GPT-6 Astraが登場する前に設計と発注を進めた基板でした。

一方、RevBは、Astraによる回路図レビューから始めています。

RevAで見つかった問題を直すだけでなく、データシート、回路図、部品型番、フットプリントを横断して再確認しました。

今回の経験から感じたのは、GPT-6 Astraによって基板改版の効率がかなり高くなったことです。

従来は、問題を一つ見つけるたびに、データシートを探し、回路を確認し、適切な部品やフットプリントを調査し、KiCadへ反映する必要がありました。

Astraを使うことで、その調査と修正作業を連続して進められるようになりました。

もちろん、最終的な確認は人間に残ります。しかし、人間がすべてを一つずつ調べる場合と比べると、改版作業の進み方はかなり変わりました。

RevAの失敗をRevBへ反映する

RevAでは、USBコネクタのフットプリントとDDR用電源回路に大きな問題が見つかりました。

基板を作った後で問題が分かったこと自体は残念です。しかし、RevAをそのまま動かそうとして時間を使い続けるのではなく、問題を整理してRevBへ反映できました。

今回の改修では、次の作業を行いました。

  • USBコネクタのフットプリント修正
  • DDR用電源回路の制御論理修正
  • リセット回路の追加
  • 外部ライブラリ由来のフットプリント確認
  • 不適合フットプリントの作り直し
  • 回路図とデータシートの再レビュー

RevAで失敗したことよりも、そこで見つかった問題を次の設計へ確実に反映することが重要です。

RevBでは、GPT-6 Astraを回路レビューと修正作業に本格的に使い始めました。この後は、修正した設計を再びJLCPCBへ提出し、届いたRevB基板で電源とZynqの動作を確認していきます。

English Summary

This article describes the two major problems found in RevA of my 5SQ Zynq board and the resulting changes made for RevB.

The first issue was the USB connector footprint. The holes on the PCB were round and too small for the selected connector, making correct installation impossible. This design had been created during the GPT-5.6 period, and the mismatch was not detected at that time.

The second issue was in the DDR power supply circuit. The logic of a select or enable input had been interpreted in the opposite direction, preventing the DDR supply from operating as intended. Because the related IC was extremely small, modifying the completed RevA board would have been difficult.

I therefore decided to create RevB rather than rely on extensive rework. The USB footprint and DDR power control circuit were corrected, and a reset circuit was added after warnings were found during the review.

GPT-6 Astra also checked footprints obtained from external libraries. Several did not fully match the component datasheets. When a suitable footprint was unavailable, Astra helped create a new one from the datasheet dimensions.

Astra performed investigation and assisted with data correction, but I made the final decisions about component compatibility, circuit changes, and whether to proceed with a new revision.

The RevB design therefore began with a much more comprehensive AI-assisted review. This significantly improved the efficiency of correcting the board, although final engineering verification remained necessary.

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