GPT-6 AstraにKiCadの部品配置を全部任せてみた――制約の多い基板では失敗した | 有限会社 FPGAインフォメーション

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GPT-6 AstraにKiCadの部品配置を全部任せてみた――制約の多い基板では失敗した

コネクタの位置や基板外形が決まってきたので、次は残りの部品を配置する段階に入りました。

そこで今回は、単純に「残りの部品配置をすべてGPT-6 Astraへ任せてみよう」と考えました。

結論から言うと、この方法は失敗しました。

部品を配置するところまでは進みましたが、実際にブロック単位で配線を始めると、途中で配線できない状態になりました。今回の基板には絶縁が必要な回路が多く、単純に空いている場所へ部品を収めるだけでは成立しなかったためです。

コネクタと基板外形を決めてから残りを任せた

最初に、人間側でコネクタの位置と基板の大きさを決めました。

コネクタはケースや接続先との関係があるため、自由に動かせません。基板外形にも制約があります。そこで、これらの固定条件だけを先に決め、残りの部品配置をGPT-6 Astraへ任せました。

発想としては単純です。

固定しなければならないものだけ人間が決め、抵抗、コンデンサ、ICなど、残った部品をGPT-6 Astraに配置してもらえば、作業時間を短縮できると考えました。

実際、部品を基板上へ並べる処理そのものは進みました。そのため、最初の段階では、このまま配線まで進められるかもしれないと思いました。

【画像:コネクタと基板外形を固定した初期状態】

今回の基板には絶縁回路が多かった

今回の基板配置が難しかった理由の一つは、絶縁を必要とする回路が多かったことです。

絶縁回路では、単に部品同士を近くへ配置すればよいわけではありません。絶縁の一次側と二次側、電源、信号の流れ、配線経路などを考えて、回路ブロックとして配置する必要があります。

しかし、GPT-6 Astraによる最初の配置は、私が想定していたブロック構成にはなりませんでした。

見た目として基板内に部品が収まっていても、後から配線できるとは限りません。特に絶縁部分では、部品配置が少し違うだけでも、必要な配線経路を確保できなくなることがあります。

今回は、この点を配置段階で十分に反映できていませんでした。

そのまま配線を進めた結果、行き詰まった

最初の配置を見た段階では、とりあえずこのまま進めてみることにしました。

その後、回路ブロックごとに配線を始めました。ところが、作業を進めるにつれて、配線経路を確保できない場所が出てきました。

部品自体は基板内へ配置されています。しかし、ある信号を通そうとすると別の回路と干渉し、絶縁領域も維持できないため、最終的に「この配置では配線できない」という状態になりました。

ここで、最初の部品配置をそのまま使うことを諦めました。

GPT-6 Astraが配置処理を実行できたことと、その配置から実際に配線できることは別問題です。今回は、配線段階まで進めたことで、初期配置が成立していないことが分かりました。

配置余裕があれば使える可能性はある

今回の結果だけで、GPT-6 Astraへ部品配置を任せること自体が使えないとは考えていません。

基板面積に余裕があり、絶縁領域や固定部品などの制約が少ない基板であれば、自動的な初期配置でも比較的すんなり進む可能性があります。

一方、今回のように次の条件が重なる基板では、完全に任せるのは難しいと感じました。

  • ケースによって基板外形が制限されている
  • コネクタ位置を動かせない
  • 部品数が多い
  • 絶縁回路が複数ある
  • 回路ブロックごとに配置をまとめる必要がある
  • 配線経路を事前に想定する必要がある

このような条件では、単に部品を空き領域へ収めるだけでは不十分です。どこからどこへ配線するかまで考えながら、主要部品の位置を決める必要があります。

大きな部品は人間が配置し直した

配線できないことが分かったため、配置をいったん見直しました。

まず、大きな部品や回路構成上重要な部品を、人間の目で大まかに配置し直しました。

「この部品は、このコネクタの近くに置いた方がよい」

「この絶縁回路は、一次側と二次側が分かる方向に並べた方がよい」

「この信号は、ここを通した方が配線しやすい」

といったことを考えながら、全体の骨格になる部品を先に動かしました。

ここで行ったのは、細かな部品を一つずつ完全に配置する作業ではありません。配線の流れと絶縁ブロックを考え、主要部品の位置関係を人間が決める作業です。

その後、残った部品を配置し直すこと

AIへ全部任せるより、役割を分けた方がよかった

今回分かったのは、部品配置を一括してGPT-6 Astraへ任せる方法には限界があるということです。

GPT-6 Astraは、大量の部品を移動したり、指定範囲へ並べたりする作業では非常に速く動きます。しかし、絶縁、信号の流れ、配線経路、実装性といった複数の条件を含む基板では、設計者の意図をかなり具体的に伝えなければなりません。

今回の作業では、役割を次のように分けた方がうまく進みました。

人間が判断したこと

  • コネクタの固定位置
  • 基板外形
  • 絶縁回路のブロック構成
  • 主要部品の大まかな位置
  • 信号と電源の流れ
  • 採用する配置案
  • 配線可能かどうかの最終判断

GPT-6 Astraへ任せられること

  • 指定された範囲内での部品移動
  • 細かな部品の配置
  • 配置条件変更後の繰り返し作業
  • シルク位置の調整
  • 配置結果の確認補助

人間が基板全体の骨格を決め、GPT-6 Astraに細かな配置や繰り返し作業を任せる方が、今回の基板には合っていました。

失敗したことで配置条件が見えてきた

今回は、残りの部品をすべてGPT-6 Astraへ任せるという方法を試しましたが、最終的には配線できず、配置をやり直すことになりました。

ただし、この失敗によって、GPT-6 Astraへ部品配置を依頼するときに何を伝える必要があるのかが見えてきました。

単に「残りの部品を配置してください」では不十分です。

少なくとも、次のような情報を明確にする必要があります。

  • 動かしてはいけない部品
  • 回路ブロックの範囲
  • 絶縁境界
  • 表面と裏面の使用条件
  • 優先する信号の流れ
  • 電源回路の配置方針
  • 配線のために空けておく領域
  • 部品間に必要な距離
  • 配置後に確認する項目

これらの条件を与えたうえで、ブロック単位に配置と配線を進める必要があります。

今の段階では、完全自動より協調作業が現実的

今回の結果から、制約の多い基板で部品配置をGPT-6 Astraへ完全に任せるのは、まだ難しいと感じました。

特に、絶縁回路が多く、基板面積にも余裕がない場合、部品が外形内へ収まっているだけでは不十分です。配線の流れや回路ブロックの関係を、人間が先に整理する必要があります。

一方で、主要部品を人間が配置した後の細かな調整や、何度も繰り返す移動作業については、GPT-6 Astraが役に立ちます。

今回の経験では、

「人間が配置の骨格を決める → GPT-6 Astraが細かな配置を進める → ブロック単位で配線する → 人間が結果を確認する」

という進め方が現実的でした。

すべて任せて失敗したことも、実際に使ってみなければ分からなかった結果です。AIに任せられる範囲と、人間が先に決めなければならない条件が、少しずつ具体的に見えてきました。

English Summary

This article describes an unsuccessful attempt to let GPT-6 Astra handle nearly all remaining component placement in a KiCad PCB design.

After fixing the board outline and connector locations, I asked GPT-6 Astra to place the other components. The placement operation itself progressed quickly, but the board contained several isolated circuit sections and many mechanical and routing constraints.

When I started routing each circuit block, I eventually found areas where routing was no longer possible. Although the components fitted inside the board outline, their locations did not provide suitable routing paths or reflect the isolation structure I had intended.

I therefore stopped using the initial placement and manually repositioned the large and functionally important components. I arranged the main circuit blocks according to signal flow, isolation boundaries, connector locations, and expected routing paths. After establishing this overall structure, I was able to continue the design.

The result does not mean that AI-assisted placement is unusable. It may work well when the board has sufficient space and relatively few constraints. However, for a compact board with multiple isolated sections, handing over the entire placement process was not effective in this case.

A more practical workflow was to let the human designer define the placement structure and major component locations, while GPT-6 Astra handled smaller components, repeated movements, and detailed adjustments.

The failed attempt was still useful because it clarified which constraints must be explicitly provided to the AI before component placement begins.

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