この秋、FPGA開発の進め方が変わった――ドキュメントはどこから?
前回は、この秋、AIによってFPGA開発の進め方が大きく変わったという話を書きました。
今回は、その入口にある「何を作るのかを決める」という部分です。
回路図を描く前、FPGAのコードを書く前に、まず作りたいものを整理する必要があります。この段階の進め方も、最近ずいぶん変わってきました。
何を作るのかが曖昧だと、違うものができてしまう
FPGA基板などのハードウェアを作るときには、何を作るのかを、ある程度しっかり決めておく必要があります。
ここが曖昧だと、動くものができたとしても、意図していたものとは違ってしまいます。
そのために作るのが仕様書です。何が必要で、どんな動作をさせたいのか。設計を進めるための共通の土台になります。
ただ、この仕様書を書くのが、なかなか大変でした。頭の中にあることや、打ち合わせで話した内容を、設計に使える形で文章にしていく必要があるからです。
最近は、この整理を生成AIにかなり手伝ってもらえるようになりました。
仕様書の材料は、すでに会話やメールの中にある
今は、最初から整った仕様書を書くというより、いろいろなところにある情報を集めて、仕様へ整理していく形が増えています。
例えば、Webミーティングの文字起こしです。
打ち合わせで話した内容を文字にして、生成AIで整理する。そこから、設計に必要な条件を取り出して、仕様書につなげていきます。
メールも同じです。お客様から届いた文章をもとに、何を求めているのか、どんな条件があるのかを整理できます。
話し言葉やメールは、そのままでは仕様書の形になっていません。それでも、作りたいものを決めるための大事な情報は、すでにその中にあるんですね。
また、FPGAForgeのように、Web上で作りたいものを入力し、仕様を整理していく方法もあります。こちらについては、また別の回で紹介したいと思います。

声で話すだけでも、構成が見えてくる
自分で考えている内容を、声で話して整理する方法も使えます。
何を作りたいのか。何が必要なのか。どう動いてほしいのか。
最初から文章として整っていなくても、必要なことを話したり、項目として並べたりすると、生成AIが整理してくれます。そこから、システムの構成がかなり見えてくる場合があります。
以前は「仕様書を書かなきゃいけない」と考えると、それだけで少し重い作業に感じていました。
今は、話した内容や届いた情報をもとに、手を加える量を抑えながら、設計の出発点を作れるようになってきました。
この違いは、結構大きいです。
仕様を考えながら、部品の入手性も調べる
仕様を整理している段階で、指定された部品が本当に手に入るのかを調べられることも、便利になった点です。
使いたい部品が決まっていても、在庫や納期によっては、そのまま進めにくい場合があります。
生成AIを使って調達先の情報を調べながら、部品の入手性も含めて構成を検討できます。もちろん、そこで確認できるのは、その時点の情報です。
何を作るかという話と、実際に部品をそろえて作れるかという話を、近いところで考えられるようになりました。
5cm基板を使えば、もっと早くできないか
うちの場合は、5cm角のFPGA基板もあります。Spartan系とZynq系の基板です。
仕様を整理するときには、これらをうまく活用できないか、ということも考えます。
必要な機能に対して、手元の基板でどこまで対応できるのか。追加で何が必要なのか。そうしたことを、初期の構成検討に含められます。
ここで考えたいのは、最終的なゴールへ、いかに早く到達するかということです。
作りたいものの条件に加えて、使える基板や部品、開発にかかる時間も、一緒に考えるようになりました。
開発の入口が変わってきた
仕様書の大切さは変わりません。何を作るのかを整理する必要も、変わりません。
ただ、その材料を集めて、形にしていく方法は変わってきました。
打ち合わせの文字起こし、メール、自分が声で話した内容。そうした普段のやり取りが、設計へ進むための材料になります。
「まず仕様書を書く」という作業の負担が軽くなり、その分、何を作るか、どうすれば早く作れるかを考えやすくなった。
これも、この秋に感じているFPGA開発の変化の一つです。
English Summary
AI is changing how I define requirements before starting FPGA hardware development.
Meeting transcripts, customer emails, spoken ideas, and web-based tools such as FPGAForge can all provide the starting material for a specification. Generative AI helps organize this information into requirements and an initial system structure, reducing the effort needed to prepare documentation.
At the same time, I can investigate component availability and consider whether our existing 5cm Spartan- and Zynq-based boards could shorten development.
The goal remains the same: clearly define what to build. What has changed is how quickly everyday conversations and scattered information can become a practical starting point for design.

