5cm Zynqボードの製造手順 ― プリント基板製造が身近になった理由
English Summary
This article introduces the development and manufacturing process of our 5cm × 5cm Zynq board.
One of the main reasons this kind of compact and relatively complex board has become practical to develop is the significant improvement in PCB manufacturing services. In the past, PCB fabrication, component purchasing, inventory management, and assembly were often handled separately. Even when bare PCBs could be manufactured quickly, sourcing parts and arranging assembly could take considerable time.
Today, many PCB manufacturers provide integrated services covering PCB fabrication, component procurement, and assembly. This greatly reduces the amount of manual work required and makes small-volume prototype development faster and more affordable.
The development flow for the 5cm Zynq board is roughly as follows:
Planning → Component Selection → Schematic Design → PCB Layout → PCB Manufacturing → Component Assembly → Functional Testing
First, the overall concept and required functions are defined. The main components, such as the Zynq FPGA, DDR memory, power devices, USB, Ethernet, and connectors, are then selected. After schematic and PCB layout design are completed, the manufacturing and assembly processes can be outsourced to a PCB service provider.
Once the assembled board is returned, power supplies, FPGA configuration, DDR memory, USB, Ethernet, and other interfaces are tested one by one.
Thanks to modern PCB manufacturing and assembly services, the complete development cycle has become much shorter than before. This improvement is one of the key factors that makes projects such as a compact 5cm Zynq board much easier to develop today.
これから数回に分けて、現在開発している5cm角のZynqボードがどのような手順で作られているのかについて紹介していきたいと思います。
今回は、その全体的な製造・開発の流れについてです。
プリント基板が以前より作りやすくなった
今回5cm角という小さな基板にZynqやDDRなどを搭載したボードを作ろうと思った背景には、以前と比べてプリント基板を作る環境が非常に良くなったことがあります。
価格が安くなったことも大きいのですが、それ以上に、
- プリント基板製造
- 部品調達
- 部品実装
といった工程をまとめて依頼できるようになったことが大きな変化だと思っています。
以前のプリント基板開発では、基本的にそれぞれの工程が別々でした。
まず回路図を作り、そこからプリント基板のパターン設計を行います。
その後、基板製造業者に基板を作ってもらい、さらに実装用の部品を集めて、実装業者に部品を取り付けてもらう、という流れになります。
私自身、回路図についてはかなり以前から自分で作っていましたが、その後のパターン設計の指示や製造、さらに部品調達まで含めると、かなりの手間が必要でした。
基板は早くても、その先に時間がかかった
以前から、プリント基板そのもの、いわゆる生基板の製造期間は比較的短いものでした。
しかし、基板が早く完成しても、それだけでは製品は動きません。
必要な部品を集めなければならず、部品によっては入手に時間がかかったり、在庫がなかったりします。
さらに、
「どの部品を何個購入したか」
「どの部品を実装業者へ送るか」
といった部品管理も必要になります。
基板製造自体は早いのに、それ以外の工程に時間がかかってしまうということがよくありました。

最近は製造から実装までまとめて依頼できる
最近では、この状況がかなり変わってきました。
プリント基板メーカーが、基板製造だけではなく、
部品調達 → 基板製造 → 部品実装
までまとめて対応してくれるサービスが増えています。
設計者側で基板データと部品情報を用意すれば、その後の工程をかなりまとめて依頼できるようになりました。
この変化によって、小規模な開発でもプリント基板を作りやすくなっています。
今回の5cm Zynqボードも、こうした製造サービスを利用することを前提に設計しています。
5cm Zynqボードを作るまでの流れ
今回のボードでは、おおよそ次のような流れで開発しています。
1. 企画
最初に、
「どんなボードを作るのか」
を決めます。
今回の場合は、Zynqを搭載した5cm角の小型ボードを作り、今後のFPGA・画像処理・組み込み開発のベースとして利用することを考えました。
2. 部品選定
次に、その仕様を実現するために必要な部品を決めます。
FPGA、DDRメモリ、電源IC、USB、Ethernet、コネクタなど、基板に搭載する部品を一つずつ選定していきます。
この部品選定については、今回かなり重要な部分なので、別の記事で詳しく紹介したいと思います。
3. 回路図設計
使用する部品が決まったら、回路図を作成します。
FPGAの電源、DDR、各種インターフェースなどを接続していきます。
4. プリント基板パターン設計
回路図が完成したら、実際の基板上に部品を配置し、配線を行います。
今回のような5cm角の基板では、この工程がかなり大変です。
ZynqやDDRなど多数の信号線を限られた面積の中に通していく必要があります。
5. 基板製造
パターン設計が終われば、基板製造業者へデータを送ります。
ここから先は、基本的には製造業者側の工程になります。
6. 部品実装
完成したプリント基板へ部品を実装します。
最近では、基板製造と同じ業者にそのまま部品実装まで依頼できるため、この部分が非常に楽になりました。
7. 動作テスト
実装済み基板が戻ってきたら、ようやく実機での動作確認です。
電源を確認し、FPGAを書き込み、DDRやUSB、Ethernetなど、それぞれの機能を一つずつ確認していきます。
ここまで来て、初めて「ボードが完成した」と言えます。
開発サイクルがかなり短くなった
以前は、プリント基板を1枚作るだけでもかなり大きな仕事でした。
現在は製造業者や部品供給の仕組みが進歩したことで、
企画 → 部品選定 → 回路図 → パターン設計 → 製造 → 実装 → テスト
という一連の流れを、かなり短い期間で回せるようになっています。
今回の5cm Zynqボードのような、少し複雑な基板を気軽に試作できるようになったのも、こうした製造環境の進歩が大きいと思います。
次回は、この中でも特に重要な**「部品選定」**について紹介していきたいと思います。
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