GPT-6 AstraでKiCadの絶縁部を配線――主要部品は人間、細かな配置配線はCodexに任せた
引き続き、GPT-6 AstraとCodexを使ってKiCadのPCB設計を進めています。
今回の基板は、絶縁回路が多い構成です。主電源とFPGAを含む回路に加えて、FPGA側から接続する3つの独立した絶縁部分を1枚の基板へ搭載します。
前回、部品配置をすべてGPT-6 Astraへ任せたところ、配置後に配線できなくなりました。そこで今回は進め方を変えました。
大きな部品や回路ブロックの位置は人間が決め、抵抗やコンデンサなどの細かな部品配置と配線をCodexへ任せました。その結果、基板全体ではありませんが、まず絶縁部分の配置配線を終えることができました。
絶縁部分が3つある基板
今回設計している基板には、主電源とFPGAを含む回路があり、そこから3つの独立した絶縁部分へ接続します。
絶縁回路が一つだけであれば、一次側と二次側を分けて配置することで、比較的整理しやすい場合があります。しかし、今回は絶縁部分が3つあるため、それぞれについて部品配置、電源、信号の流れ、配線経路を考える必要がありました。
各ブロックが単独で成立するだけでなく、1枚の基板にすべて収めなければなりません。
そのため、単に空いている場所へ部品を置くだけでは配線が成立しません。絶縁境界を維持しながら、それぞれの回路ブロックをまとめる必要があります。

すべて任せる方法はうまくいかなかった
最初は、部品配置から配線までGPT-6 Astraへ大きく任せようとしました。
しかし、配置された部品を使ってブロック単位で配線を進めると、途中で配線経路を確保できなくなりました。
部品は基板外形の中に収まっていても、絶縁境界や信号の流れに対して適切な位置にあるとは限りません。結果として、見た目上は配置できていても、配線を完成させられない状態になりました。
そこで今回は、人間とAIの役割を分け直しました。
大きな部品は人間が配置した
まず、大きな部品や回路の骨格になる部品を、人間が大まかに配置しました。
絶縁回路では、主要部品の向きや位置関係が、その後の配線へ大きく影響します。どの部品を絶縁境界の近くへ置くか、コネクタからどの方向へ信号を流すか、一次側と二次側をどのように分けるかを考えながら配置しました。
この段階では、すべての抵抗やコンデンサまで細かく置いたわけではありません。
まず人間が、大きな部品と回路ブロックの位置を決めました。そのうえで、残りの細かな部品をCodexへ任せました。
【画像:人間が主要部品と絶縁ブロックを配置した状態】
抵抗やコンデンサの配置をCodexへ任せた
大きな部品を配置した後、抵抗やコンデンサなどの細かな部品をCodexへ配置させました。
これらの部品は数が多く、一つずつ手で置いていくと時間がかかります。また、配置した後に配線できないことが分かれば、位置や向きを何度も変更しなければなりません。
今回は、主要部品と絶縁ブロックの構成を人間が先に決めていたため、Codexもその中へ細かな部品を収めやすくなりました。
実際に作業させると、抵抗やコンデンサを回路ブロック内へ配置し、配線できるように位置を調整してくれました。
すべてを最初から任せたときとは違い、配置の骨格を人間が与えたことで、かなり適切に収まるようになりました。
配置だけでなく配線も任せた
細かな部品の配置に続いて、絶縁部分の配線もCodexへ任せました。
回路ブロックごとに作業させ、配置と配線の結果を確認しながら先へ進めました。
ここで便利だったのは、部品を置くだけでなく、配線との関係を見ながら位置を調整できることです。細かな部品は、数mm移動したり、向きを変更したりするだけで配線しやすさが変わります。
このような細かな修正を繰り返す作業をCodexへ任せられたことで、人間が一つずつ部品を動かして配線する時間を減らせました。
Codexのチェックは思ったより厳しかった
今回、Codexはかなり厳しく設計を確認していました。
人間が手作業で進めていたら、「ここはこのままでもよい」と判断して先へ進みそうな箇所でも、Codexは問題として扱い、作業を停止することがありました。
そのたびに結果を確認し、条件を見直したり、追加の指示を出したりする必要があります。
チェックを緩くする指示もできるのだと思います。しかし、今回は厳しめに確認させたため、簡単には先へ進みませんでした。
この点だけを見ると、AIへ任せれば一瞬で終わるというものではありません。途中で何度も停止し、確認と再指示が必要でした。
一方で、人間が同じ量の配置配線と確認を続けるよりは、はるかに速かったと感じています。
厳しいチェックで時間はかかったが、それでも速かった
今回の作業では、Codexが問題を見つけるたびに止まるため、想像していたより時間がかかりました。
ただし、その時間の多くは、単純に部品を動かしたり配線したりする時間ではなく、AIの報告を確認して次の判断を行う時間です。
人間がすべて手作業で行う場合は、配置、配線、確認、修正のすべてを自分で進めなければなりません。さらに、細かな作業を長時間続けると、集中力が落ちて見落としも起きやすくなります。
今回は、人間が主要部品の位置と設計方針を決め、Codexが細かな配置配線を繰り返しました。
途中で何度も確認は必要でしたが、それでも人間が一から作業するより、絶縁部分の配置配線をかなり早く終えられたという実感があります。
AIが行った作業と人間が判断したこと
今回、Codexへ任せた主な作業は次のとおりです。
- 抵抗やコンデンサなど、細かな部品の配置
- 部品の位置と向きの調整
- 絶縁ブロック内の配線
- 問題があると判断した箇所での停止
- 作業結果と確認事項の報告
一方、人間側では次の作業と判断を行いました。
- 基板全体の構成を決める
- 大きな部品を配置する
- 3つの絶縁ブロックの位置を決める
- 信号と電源の大まかな流れを決める
- Codexの指摘を確認する
- どの条件を維持し、どこを変更するか判断する
- 配置配線の結果を採用するか決める
今回は、すべてをAIへ任せたわけではありません。
人間が回路全体の骨格を作り、その中で発生する細かな配置配線をCodexへ任せました。この役割分担に変更したことで、前回行き詰まった設計を先へ進められました。
絶縁部分は終わったが、基板全体はまだ途中
今回完了したのは、主に絶縁部分の配置配線です。
FPGA周辺については、まだ本格的に配線していません。そのため、基板全体のパターン設計が完成したわけではありません。
今後はFPGA周辺の多数の信号、電源、コネクタとの接続などを配線する必要があります。
FPGA周辺では、配線密度やピン配置の問題も出てきます。必要に応じてピンスワップを行い、配線を短くする作業も続きます。
現時点では途中段階ですが、絶縁部分を終えられたことで、かなり楽になったという感覚があります。
全自動ではなくても、配置配線の負担は大きく減った
今回の作業から、GPT-6 AstraとCodexへすべてを任せる方法は、制約の多い基板ではうまくいかないことが分かりました。
一方で、人間が主要部品と回路ブロックを配置した後であれば、細かな部品の配置と配線をかなり任せられます。
現時点で使いやすいのは、次の流れです。
- 人間が基板全体の構成を考える
- 人間が大きな部品と回路ブロックを配置する
- Codexが抵抗やコンデンサを配置する
- Codexがブロック単位で配線する
- 問題があれば作業を停止して報告する
- 人間が結果を確認して次の指示を出す
- 一つのブロックが終わってから次へ進む
完全自動ではありません。途中で人間による判断と確認が何度も必要です。
それでも、配置や配線をすべて手作業で行っていたときと比べると、負担はかなり小さくなりました。
まだFPGA周辺の配線は残っていますが、絶縁部分まで進めてみて、GPT-6 AstraとCodexを使ったPCB設計は実務で十分役に立つと感じています。
English Summary
This article describes how I completed the placement and routing of the isolated sections of a KiCad PCB with assistance from GPT-6 Astra and Codex.
The board contains a main power and FPGA section together with three separate isolated circuit sections. My earlier attempt to delegate the entire component placement process did not work because the resulting placement could not be routed successfully.
I therefore changed the workflow. I manually positioned the large and structurally important components, defined the approximate locations of the isolated circuit blocks, and then asked Codex to place smaller components such as resistors and capacitors.
Codex also handled routing within the isolated sections. It repeatedly adjusted component positions and orientations to fit the parts and create workable routing paths.
The checks were stricter than I expected. Codex sometimes stopped at locations that I might have accepted during manual work. This required repeated review and additional instructions, so the process was not instantaneous. Even so, it was much faster than performing all placement and routing manually.
The isolated sections are now routed, but the complete PCB is not finished. Routing around the FPGA still remains.
The practical workflow was to let the human designer define the overall structure and major component positions, while Codex handled detailed component placement, repeated adjustments, routing, and reporting. Human review and final engineering decisions remained necessary.
