GPT-6 AstraでKiCad回路図を仕上げる――ERCと不具合のチェック | 有限会社 FPGAインフォメーション

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GPT-6 AstraでKiCad回路図を仕上げる――ERCと不具合のチェック

これまで、部品情報やフットプリントの不一致を一つずつ修正してきました。そうした作業を経て、回路図がようやく完成に近づいてきました。

最後の段階で行ったのが、KiCadのERCと、GPT-6 Astraによる回路図レビューです。

ERCはElectrical Rules Checkの略で、未接続端子、電源端子の扱い、出力同士の接続など、回路図上の電気的なルール違反を検出する機能です。

今回はKiCadのERC結果だけでなく、Astraにも回路図を確認してもらいました。

ERCで指摘された箇所を一つずつ確認

KiCadでERCを実行すると、「この部分の接続がおかしいのではないか」という警告やエラーが出てきます。

ただし、ERCで指摘された項目が、すべて実際の設計ミスとは限りません。意図的な未接続端子や、回路上は問題のない電源接続が警告になることもあります。

そのため、警告を単純に消すのではなく、一つずつ内容を確認する必要があります。

今回の作業では、AstraがERCの指摘内容と回路図を確認し、問題になりそうな箇所を提示しました。それに対して、私が修正方法や扱いを判断し、「ここはこうする」「この部分は残す」と指示を出す形で進めました。

Astraが問題候補を洗い出し、設計者である私が対応を判断するという流れです。

AstraはERCだけでは確認できない部分も調べた

今回特に助かったのは、AstraがERCの結果だけを見ていたわけではないことです。

ERCは、回路図上で設定されたピン属性や接続関係に基づいてチェックします。しかし、使用するICの仕様や信号条件まで理解して、すべての接続が正しいかを判断するものではありません。

例えば、回路図上では接続されていても、

  • その端子をその電圧で使用してよいか
  • 入出力の信号レベルが合っているか
  • 必要なプルアップやプルダウンが入っているか
  • 未使用端子の処理が適切か
  • 電源端子や制御端子の接続方法が推奨条件に合っているか
  • その部品を想定した用途で使用できるか

といった点は、データシートを確認しなければ判断できません。

Astraは使用している部品のデータシートを探し、回路図と照合しながら、信号の接続や部品の使い方が妥当かというところまで確認しました。

これは、KiCadのERCとは別の種類のチェックです。

散らばったデータシートを横断して確認する

電子回路の設計では、複数のメーカーが提供する多数の部品を組み合わせます。

それぞれのデータシートには、電源条件、端子機能、絶対最大定格、推奨動作条件、信号レベル、タイミング、未使用端子の処理などが記載されています。

これらの情報は、一つの資料にまとまっているわけではありません。メーカーごとのWebサイトやPDFに分散しています。

設計者がすべての内容を覚えておくことは難しく、必要になるたびにデータシートを開いて確認することになります。この調査には時間がかかりますし、過去の経験や思い込みによって確認を省略すると、ミスにつながります。

今回、Astraは散らばっているデータシートを調べ、その内容を回路図へ照らし合わせていました。

人間が一つずつ資料を探し、ページを移動しながら確認していた作業を、Astraがかなり補助してくれました。

部品選定そのものも難しくなっている

最近の電子回路設計では、回路方式だけでなく、使用する部品を確保できるかという問題もあります。

同じような機能を持つ部品が何万点、場合によっては何十万点と登録されている中から、仕様、パッケージ、電圧、精度、温度範囲、価格、在庫などを比較して、適切なものを選ばなければなりません。

電気的に使える部品であっても、在庫がなければ量産や試作には使えません。反対に、在庫があっても、信号条件やパッケージが合っていなければ採用できません。

Astraは部品候補を探すだけでなく、データシートの内容まで確認し、回路での使い方が妥当かを調べました。

この調査と回路図レビューを同じ流れの中で行えることは、設計作業をかなり単純にしてくれます。

今回は回路図の多くをAIと一緒に仕上げた

今回の設計は、最初からすべてをGPT-6 Astraに作らせたわけではありません。

既存の回路図をレビューするところから始め、部品情報、フットプリント、推奨回路、信号接続、ERCの指摘などを順番に確認しました。

その過程で、Astraには次のような作業を依頼しました。

  • 回路図と部品情報の読み取り
  • ERCで問題になった箇所の確認
  • データシートの調査
  • 信号接続や電圧条件の確認
  • 不具合候補の抽出
  • 修正案の提示
  • 指示した内容の回路図への反映
  • 修正後の再確認

一方で、指摘を採用するか、どのように修正するか、意図的な接続を残すかといった判断は私が行いました。

「AIに回路図を任せた」と言っても、設計判断まで完全に任せたわけではありません。Astraに厳しくチェックしてもらい、私が修正方針を指示するという進め方です。

思い込みによるミスを減らせる

一人で設計していると、設計者自身の思い込みがそのまま回路図へ入ることがあります。

「この端子は以前も同じように接続した」
「この部品はこの使い方でよいはずだ」
「回路図上でつながっているから問題ない」

こうした判断が正しい場合もありますが、部品の型番や世代が変われば、条件が異なる可能性があります。

Astraが毎回データシートへ戻って確認することで、人間の記憶や経験だけに依存しないレビューができます。

AIにも誤読や判断ミスの可能性はあるため、最終確認は必要です。それでも、設計者とは別の視点から厳しく確認してくれることで、ミスを減らせる感覚がありました。

ERCを終えて回路図をいったん完了

最終的に、ERCの指摘を確認し、必要な修正を反映したところで、今回の回路図作業をいったん終了しました。

この時点で不具合が完全になくなったと断定することはできません。ERCを通過しても、部品の使い方、タイミング、電源、物理配置などに問題が残っている可能性はあります。

それでも、KiCadのERCに加えて、Astraがデータシートと照合しながら回路を確認したことで、従来より完成度の高い回路図になったと感じています。

これまで人間が多くの時間を使っていた資料調査と確認作業をAstraが補助し、設計者は指摘内容と修正方針の判断に集中する。

今回の作業を通じて、GPT-6 Astraは回路図作成だけでなく、設計レビューにもかなり使えると実感しました。

English Summary

After correcting the component information and PCB footprints, I used KiCad ERC and GPT-6 Astra to perform a final schematic review.

KiCad’s Electrical Rules Check can detect issues such as unconnected pins, power-pin conflicts, and incompatible electrical pin types. However, ERC does not fully determine whether a circuit follows the requirements of each component datasheet.

Astra reviewed the schematic together with the ERC results. It also searched for component datasheets and checked signal connections, voltage conditions, control pins, pull-up or pull-down requirements, unused-pin handling, and intended component usage.

This was valuable because modern electronic designs involve many components whose specifications are distributed across different manufacturers’ documents. Manually finding and remembering every relevant requirement takes time and can lead to errors caused by oversight or assumptions.

Astra identified possible problems and proposed corrections. I reviewed those findings and decided how each issue should be handled. The AI performed much of the investigation and checking, while the final engineering decisions remained with me.

Completing ERC does not prove that a schematic is free of all defects. Nevertheless, combining KiCad ERC with datasheet-based AI review gave me greater confidence in the schematic and helped reduce potential design mistakes.

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