GPT-6 AstraがKiCad回路図の不足を指摘――RTCバックアップ電源の保護回路 | 有限会社 FPGAインフォメーション

BLOG & INFO

生成AI 実務編 KiCAD

GPT-6 AstraがKiCad回路図の不足を指摘――RTCバックアップ電源の保護回路

今回は、GPT-6 AstraにKiCadの回路図を確認してもらったところ、RTCのバックアップ電源回路に配慮が足りないことを指摘された事例を紹介します。

RTCはリアルタイムクロックの略で、主電源が切れている間も時刻を保持するために使うICです。今回は必要に応じて外付けできるバックアップ電源として、スーパーキャパシタを用意しようと考えていました。

しかし、最初に私が描いていた回路は、RTCのバックアップ電源端子とスーパーキャパシタの間が、ほぼ直結の状態でした。

最初の回路には保護部品がなかった

当初の回路図には、主電源、RTCのバックアップ電源端子、スーパーキャパシタの間に、電流の向きや充放電を考慮した保護回路がほとんど入っていませんでした。

自分では、外付けのスーパーキャパシタを接続して、主電源が切れたときにRTCの時刻を保持できればよいと考えていました。

ところが、ChatGPTとやり取りしながら回路を確認していると、GPT-6 Astraから保護回路が必要だという指摘が入りました。

AstraはRTCのデータシートを確認し、バックアップ電源回路にダイオードを追加する必要があることを指摘しました。

単に「スーパーキャパシタを接続できる」というだけではなく、主電源側とバックアップ電源側の電流経路や逆流防止まで考える必要があるということです。

データシートの推奨内容まで確認した

今回よかったのは、Astraが回路図だけを見て一般論を答えたのではなく、使用するICのデータシートを確認したうえで指摘したことです。

RTCのバックアップ回路について、

  • どの部分に保護が必要か
  • どのようなダイオードを追加するか
  • 回路をどのように修正するか
  • 条件に合う部品として何を選ぶか

といったところまで検討してもらいました。

その後、ダイオードの追加だけでなく、使用する部品の候補探しと、KiCad回路図への反映も進めました。

ここで重要なのは、Astraが勝手に回路を決定したということではありません。

Astraはデータシートをもとに不足している部分を指摘し、回路と部品の候補を提案しました。その内容を確認し、実際に採用するかどうかを判断したのは設計者である私です。

一人で設計していると気づきにくい部分だった

今回のような部分は、一人で設計しているとなかなか気づきにくいところです。

RTC本体の接続や通信インターフェースには注意していても、バックアップ電源のような補助回路は、動作の中心ではないため確認が甘くなることがあります。

回路そのものは単純に見えます。しかし、実際には逆流防止、充電経路、電圧条件、部品定格なども確認する必要があります。

これまでは、こうした細かな部分も自分でデータシートを読み、必要な回路を探していました。それでも、経験や確認時間によっては見落とすことがあります。

今回はAstraがデータシートまで確認し、回路図に不足している保護部品を指摘しました。こうした補助的な設計確認について、生成AIはかなり進化していると感じました。

回路図レビューとしても使える

GPT-6 Astraを使う前は、主に回路図を作成したり、部品を探したりする用途を考えていました。

しかし、実際に使ってみると、すでに描かれている回路を確認し、不足している部品や考慮事項を指摘する用途にも使えます。

今回、Astraが行ったのは次の作業です。

  1. RTCのバックアップ電源回路を確認する
  2. 使用するRTCのデータシートを調べる
  3. ほぼ直結になっていた回路の問題を指摘する
  4. 保護用ダイオードの追加を提案する
  5. 条件に合う部品候補を探す
  6. KiCad回路図の修正を支援する

一方、私は提案内容とデータシートの条件を確認し、回路へ採用するかを判断しました。

回路図を描かせるだけでなく、設計者が見落としている可能性のある部分を探してもらう。そういう使い方も十分に実用的だと思います。

AIは補助回路の確認に向いている

基板設計では、中心となるICやインターフェースだけでなく、その周囲に多くの補助回路があります。

電源のデカップリング、プルアップやプルダウン、保護ダイオード、電源シーケンス、リセット、バックアップ電源などです。

このような回路は一つひとつを見ると単純ですが、基板全体では数が多くなります。設計者がすべてを漏れなく確認するのは簡単ではありません。

GPT-6 Astraは、データシートと回路図を照合しながら、そうした不足を探す補助役として使えます。

もちろん、AIの提案が必ず正しいとは限りません。部品の最大定格、電圧降下、漏れ電流、充電電流、スーパーキャパシタの仕様などは、人間が改めて確認する必要があります。

それでも、最初の回路では気づいていなかった問題を指摘してくれたことは、かなり助かりました。

今回の経験から、GPT-6 Astraは回路図の作成だけでなく、回路図レビューにも使えると感じています。

English Summary

In this project, I planned to add an optional external supercapacitor as a backup power source for a real-time clock IC.

My original schematic connected the RTC backup power path and the supercapacitor almost directly, without sufficient protection circuitry. During a review, GPT-6 Astra checked the RTC datasheet and pointed out that a diode should be added to the backup power circuit.

Astra helped identify the missing protection, search for a suitable component, and modify the KiCad schematic. However, Astra did not make the final engineering decision. I reviewed the proposal and decided whether the circuit should be adopted.

This was a detail that could easily have been overlooked during a one-person design process. The experience showed that GPT-6 Astra can be useful not only for drawing schematics and selecting components, but also for reviewing auxiliary circuits such as backup power, protection, reset, and power-control circuits.

AI-generated suggestions still require verification. Ratings, voltage drop, leakage current, charging current, and the supercapacitor specifications must be checked by the engineer. Even so, datasheet-based AI review can help identify design omissions before PCB manufacturing.

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記 / 利用規約

Copyright © 2026 有限会社FPGAインフォメーション All Rights Reserved.

CLOSE