この秋、FPGA開発の進め方が変わった――AIと開発する現場から・第1回
この秋、FPGAの設計の仕方が、ずいぶん変わってしまいました。
私が使っているのは、主にChatGPT系の生成AIです。以前からコードの作成には使っていましたが、9月、そして10月に入ってからは、開発全体の進め方まで変わってきたと感じています。
「ハードウェアの開発でここまでできるようになるには、あと1年か2年はかかるかな」
8月末ごろには、そんなふうに考えていました。それが、思っていたよりずっと早く、目の前で実現し始めています。
今回から何回かに分けて、この秋に体験した変化を書いていこうと思います。まずは、その全体像からです。

8月までは、AIが書いたコードを貼り付けていた
8月末の時点でも、生成AIはFPGA開発で十分に役立っていました。
必要な処理を説明して、ソースコードを書いてもらう。それを開発ツールに貼り付けて、動かしてみる。問題があれば、またAIに相談する。
こうした使い方です。
FPGAも、内部の動作はHDLというハードウェア記述言語で表現します。コードを書くという点では、AIに手伝ってもらえる部分がたくさんあります。実際に動くコードも書けるので、それだけでも助かっていました。
ただ、そのころは、AIが作ったものを各ツールへ持っていき、開発を進める操作は自分で行っていました。
FPGA開発は、コードを書くだけでは終わらない
ハードウェアの開発には、いくつもの工程があります。
企画や仕様をもとに回路図を描き、基板のパターンを設計する。FPGA内部の処理を作り、必要であればCPU側のプログラムも書く。そして、実機を使ってデバッグし、目的どおりに動くところまで確認します。
一連の流れを進めるには、全体がどうつながって動くのかを理解している必要があります。回路、基板、FPGA、ソフトウェアと、必要な知識も幅広くなります。
使うツールも一つではありません。
回路図や基板の設計にはKiCad。私の場合、FPGAはAMD系を使っているので、FPGAの設計にはVivado、CPU側のソフトウェア開発にはVitisなどを使います。そのほかにも、開発や確認のためのプログラムが必要です。
AIがコードを書けるようになっても、この工程全体を扱うところまでは、もう少し時間がかかると思っていました。
9月、10月になって、一気に変わった
ところが、9月から10月にかけて、その感覚が変わりました。
AIそのものの性能が上がったのか、こちらの使い方が変わったのか。その両方なのかもしれませんが、体感としては「一気に来た」という感じです。
私の開発では、従来なら1か月、2か月、場合によっては3か月ほどかかっていた内容が、1〜2週間でほぼ形になるようなことが起き始めています。
もちろん、開発内容によって違います。ただ、これまでの自分の進め方と比べると、その差はかなり大きいです。
コードを作ってもらう便利さに加えて、開発を進めるために自分が行っていた作業まで、AIとのやり取りで進むようになってきました。
開発ツールの画面を、ほとんど開かなくなった
特に10月に入って感じたのは、KiCadやVivado、Vitisの画面を、自分で開いて操作する機会が大きく減ったことです。
以前なら、それぞれのツールを開いて作業していたところを、今はAIに内容を伝えながら進めています。実機のデバッグまで含めて、AIとのやり取りを中心に開発を進められるようになってきました。
設計ツール自体は必要です。変わったのは、私がそのツールをどう使うか、という部分です。
「AIにコードを書いてもらって、自分で貼り付ける」
8月ごろの使い方から、もう一歩先に進んだ感覚があります。
まだすべての作業でそうなったわけではありませんが、「ここまで画面を開かずに進められるのか」と感じる場面が増えました。開発は、ずいぶん楽になりました。
この2か月弱に起きたことを、残しておきたい
この記事を書いているのは、2026年10月です。9月の初めから数えても、まだ2か月たっていません。
その短い期間に、自分の中の開発の常識がかなり変わりました。
今後のシリーズでは、実際に何をAIに任せ、どんなところが楽になり、どこで試行錯誤したのかを、体験をもとに書いていくつもりです。
まだ変化の途中なので、きれいに整理できない部分もあります。それでも、今感じていることは残しておきたいと思います。
一言で言えば、この秋、FPGA開発の進め方が変わってしまった。
今回は、その話の始まりです。
English Summary
This autumn, the way I develop FPGA-based hardware changed significantly.
At the end of August, I was mainly using AI to generate HDL and software code, then copying it into my development tools. I thought broader assistance across the hardware development process was still a year or two away.
During September and October 2026, however, my workflow began to change rapidly. I now spend much less time manually operating KiCad, Vivado, and Vitis, and increasingly work through conversations with AI—even during debugging on actual hardware. In some cases, work that previously took me one to three months has taken shape in just one or two weeks.
This series will share my experiences: what I have delegated to AI, what has become easier, and where I am still working through difficulties.

