言葉から回路へ――言葉が、回路図と基板になるまで
これまで、FPGAForgeでは、作りたいものを自分の言葉で伝えるところから相談できる、という話を書いてきました。
では、その言葉を、どうやって回路図や基板につなげていくのか。
今回は、その間で活躍している生成AIについてです。
最近、特に強く感じているのが、生成AIの「横断能力」です。仕様書、回路図、基板、FPGA、ソフトウェアと、異なる分野の情報をつなぎながら、作業を進められるようになってきました。

一つのものを作るにも、工程はたくさんある
FPGAを使った機器を作るには、いくつもの工程が必要です。
作りたいものを仕様として整理し、回路図を描く。基板の部品配置や配線を設計する。FPGA内部の動作を記述するRTLを書き、開発ツールで合成や実装を行う。
必要であれば、CPU側のソフトウェアも作ります。そして実機で動かし、デバッグしていきます。
それぞれに使うツールがあり、扱うデータも違います。
以前は、この工程の間をつなぐために、人が情報を整理して渡す作業がかなりありました。
回路図の情報が、FPGAの設定につながる
例えば、回路図からFPGAの設計へ進むときです。
回路図には、FPGAのどの端子に、どの信号を接続したかが書かれています。その情報を、FPGAの開発ツール側にも設定する必要があります。
以前は、回路図から必要な情報を取り出して、データにまとめ、別のツールへ入力する、という作業をしていました。
最近は、この部分を生成AIに任せられるようになってきました。
回路図の情報を読み取り、FPGAのピン割り当てを記述したファイルを作り、プロジェクトへ設定する。私の開発環境では、そうした一連の作業まで進められます。
回路図とFPGAの設計は、別々の作業です。それでも、前の工程で作った情報を、そのまま次の工程に生かせる。この連携が強くなったと感じています。
前の資料を使って、次の作業へ進める
生成AIの便利さは、コードや文章を一つ作るところだけではありません。
前の工程の資料があれば、その内容をもとに次の作業を考え、必要なデータを作っていけます。
仕様書を見ながら回路を考える。回路図をもとに基板やFPGAの設定を作る。必要なソフトウェアを作り、動作確認へつなげる。
人が毎回、別の形式にまとめ直して受け渡す負担が減ってきました。
これまで、資料を用意したり、同じ内容を別のツールへ入力したりするのに時間がかかっていたところが、つながって進むようになったわけです。
私は、この工程をまたいで情報を扱えるところが、生成AIの大きな強さだと思っています。
ゴールを決め、作業を分けるのは人の役割
ただ、何もかも一度に任せれば、そのまま完成するという使い方には、まだ工夫が必要です。
まず、何を完成させたいのかというゴールは、こちらで決めます。途中で意図とずれることもあるので、そのときは方向を補正します。
また、大きな仕事を適切な単位に分けるところは、まだ人が手伝ったほうがうまくいくと感じています。
どこまでを今回の作業にするか。何を確認してから、次へ進むか。
この分け方を支えてあげると、AIは前の成果物を使いながら、かなり先まで進めてくれます。
このあたりは、設計の経験が役立つ部分なのかもしれません。私も、任せる範囲や区切り方を調整しながら使っています。
言葉と、最後に動くものがつながってきた
「こんなものを作りたい」と話したときに、最後の基板でどのような機能を実現するのかを、以前より考えやすくなりました。
生成AIが扱える範囲が広がり、途中の工程も連携して進められるようになったからです。
作業を一つずつ速くすることに加えて、これまで分かれていた工程の間をつなぐことにも、大きな効果があります。
今後は、こうした仕組みを使うサービスも増えていくのではないかと思っています。
FPGAForgeでも、この力を生かして、相談する方の言葉を、具体的な設計や開発につなげていきたいと考えています。
作りたいことを聞き、必要な条件を整理し、工程を分けて確かめながら、回路図や基板、動作する機能へと進めていく。
「言葉から回路へ」という流れが、実際の仕事の中でも、ずいぶんつながりやすくなってきました。
English Summary
One of the most useful changes in generative AI is its ability to connect different engineering disciplines.
In my FPGA development workflow, information can now move more easily from requirements to schematics, PCB design, FPGA logic, software, and debugging. For example, AI can read signal and pin assignments from a schematic, generate the corresponding FPGA constraint file, and add it to the project.
This reduces the manual work of reformatting and transferring information between tools.
Human guidance remains important: I define the goal, divide the work into manageable stages, and correct deviations. With that structure, AI can carry information from one stage into the next, making it easier to connect a spoken idea to working hardware.
