5cm ZYNQ基板製作記 2回目の発注――USBコネクタが取り付けられない | 有限会社 FPGAインフォメーション

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5cm ZYNQ基板製作記 2回目の発注――USBコネクタが取り付けられない

[IMAGE 1:記事アイキャッチ
内容:完成した5cm角のZYNQ基板と、その上に取り付けられず浮いているUSBコネクタ。固定用の穴が小さいことを赤いマーカーで示す
挿入位置:記事冒頭]

1回目の発注は、基板の表裏に関する部品配置の問題でキャンセルになってしまいました。

そこで問題のあった抵抗のフットプリントをすべて入れ替え、データを修正してJLCPCBへ2回目の発注を行いました。今度は基板製造を終え、部品実装まで順調に進んでいるように見えました。

しかし、製造途中でJLCPCBから連絡が届きます。

今度の問題は、USBコネクタでした。

問題のあった抵抗をすべて入れ替える

1回目の発注で発生した部品面の問題は、最後まで正確な原因を特定できませんでした。

そのため、2回目の発注では問題が疑われる抵抗を部分的に修正するのではなく、該当するものをすべて入れ替えました。原因が分からない状態で同じデータを残すよりも、フットプリントから作り直したほうが確実だと考えたためです。

修正後、ガーバーデータ、ドリルデータ、BOM、部品実装用の位置データを出力し直して、JLCPCBへ再度提出しました。

2回目の発注は順調に進んだ

2回目はデータの確認を通過し、基板製造も完了しました。

その後はPCBA、つまり部品実装の工程まで進んでいました。前回のような問題は起きず、このまま完成するのではないかと思っていました。

ところが、そのタイミングでJLCPCBから突然メールが届きました。

「USBコネクタを基板に取り付けられない」という内容でした。

USBコネクタの固定用穴が小さかった

確認すると、USBコネクタ本体の端子部分ではなく、コネクタを基板に固定するための足が穴に入りません。

基板に設けた固定用穴の径が、実際のUSBコネクタの足よりも小さくなっていたのが原因です。

このUSBコネクタは、以前製作した5cm Spartan基板でも使用した部品です。そのときのフットプリントをコピーして使ったつもりだったので、特に問題はないと思っていました。

ところが、どこかの段階で固定用穴だけが小さくなっていたようです。パッドの配置や全体の形状はほぼ同じに見えるため、画面上の確認だけでは見落としやすい部分でした。

なお、穴径が変わった正確な原因は特定できていません。フットプリントのコピーや編集、ライブラリの更新など、途中の操作が影響した可能性はありますが、ここは推測の範囲です。

基板はすでに製造済みだった

JLCPCBから連絡を受けた時点で、基板そのものはすでに製造されていました。

そのため、データを修正して基板を作り直すという簡単な段階ではありません。提示された対応は、主に次の2つでした。

  • 基板の穴に合う代替コネクタを探す
  • USBコネクタを実装せずに、そのまま製造を続ける

代替部品を探す方法もありますが、短時間で機械寸法と電気仕様の両方が合う部品を見つけられるとは限りません。

そこで今回は、USBコネクタを実装しない状態で発送してもらうことにしました。

USBコネクタは手作業で取り付ける

以前にも使ったことのあるUSBコネクタなので、基板が届いてから手作業で対応できるだろうと判断しました。

固定用の穴を加工する、コネクタの固定足側を調整するなど、現物を確認してから取り付け方法を考えます。ただし、穴を広げる場合は周囲の銅箔や内層配線を傷つける可能性があります。

特に多層基板では、穴の近くに内層パターンが通っていることもあります。加工する前に基板データを確認し、電気的・機械的な影響を検討する必要があります。

今回は「おそらく手付けできる」という判断で製造を続けてもらいましたが、これは製品仕様として問題が解決したという意味ではありません。試作基板だから選べた対応です。

使用実績のある部品でも再確認が必要

今回の失敗で実感したのは、「以前使ったことがある部品だから大丈夫」という考え方の危険性です。

同じ部品を使う場合でも、フットプリントが完全に同じとは限りません。コピー後の編集やライブラリの差し替えによって、パッド径や穴径だけが変化している可能性もあります。

特にコネクタでは、電気端子だけでなく次の項目も確認する必要があります。

  • 固定足の位置と寸法
  • 穴径と公差
  • スルーホールか非スルーホールか
  • 基板端からの距離
  • コネクタ外形と周辺部品の干渉
  • 挿抜時にかかる力への耐性
  • 実際に購入する部品のメーカー型番

回路図上では同じUSBコネクタに見えても、機械寸法が違えば取り付けることはできません。

印刷して実物大で重ねる確認も有効

コネクタやスイッチなど、機械寸法が重要な部品は、基板レイアウトを実寸で印刷して現物を重ねる方法も有効です。

3D表示による確認も便利ですが、3Dモデル自体が正しいことが前提になります。フットプリント、3Dモデル、実際の部品がそれぞれ違っていれば、画面上では問題が見つかりません。

確実なのは、データシートの寸法を確認したうえで、実物の部品もノギスなどで測ることです。基板を発注する前に一度現物を当てていれば、今回の穴径の違いにも気づけた可能性があります。

まとめ

5cm ZYNQ基板の2回目の発注では、前回問題になった抵抗をすべて入れ替え、基板製造と部品実装まで順調に進みました。

ところが、USBコネクタの固定用穴が小さく、コネクタを取り付けられないことが製造途中で判明しました。基板はすでに完成していたため、今回はUSBコネクタを実装せずに発送してもらい、到着後に手作業で対応することにしました。

過去に使用実績のある部品を流用したつもりでも、フットプリントの寸法が正しいとは限りません。

特にコネクタでは、信号端子のパッドだけでなく、固定足や穴径まで実部品と照合する必要があります。「前にも使ったから大丈夫」という油断が、思わぬところでトラブルにつながりました。

次回からは発注前の確認項目に、コネクタの固定用穴と実部品の照合も加えたいと思います。

English Summary

Second PCB Order Reveals a USB Connector Footprint Problem

After the first assembly order was canceled, the affected resistor footprints were replaced and the manufacturing data was submitted to JLCPCB again. The second order progressed through PCB fabrication and reached the assembly stage without any apparent problems.

JLCPCB then reported that the USB connector could not be mounted. Its mechanical retention tabs were larger than the corresponding holes in the PCB footprint.

Because the boards had already been fabricated, modifying the PCB was no longer practical. The assembly was therefore continued without installing the USB connector, with the intention of fitting or reworking it manually after delivery.

The connector had been used on a previous board, which created a false sense of confidence. This experience showed that reused footprints should still be checked against the exact manufacturer part number and its latest mechanical drawing. For connectors, signal-pad alignment alone is not sufficient; mounting-tab dimensions, hole diameters, board-edge placement, and mechanical clearances must also be verified.

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