5cm Zynqボードのスペック ― 小型ボードにCPU・FPGA・DDR・各種I/Oを搭載
English Summary
We are developing a compact 5 cm square Zynq board as a flexible platform for embedded systems, FPGA development, image processing, and rapid prototyping.
The board integrates a Zynq SoC with a dual-core ARM Cortex-A9 processor and approximately 85K logic cells in the programmable logic section. It also includes 1 GB of DDR3 memory, allowing Linux applications and FPGA hardware to share a high-speed memory environment.
For storage and booting, the board supports QSPI flash and eMMC with at least 8 GB capacity. Power is supplied from 5 V, either through USB or an external power source.
To simplify development, the board includes a built-in USB Type-C JTAG interface, enabling direct connection to a PC running Xilinx development tools without requiring a separate JTAG adapter.
The board also supports Ethernet, USB, and HDMI input or output, depending on the hardware configuration. Around 70 general-purpose 3.3 V FPGA I/O pins are available for connecting external sensors, converters, communication devices, and custom circuits.
In the future, we also plan to develop a high-speed data transfer interface between a PC and the board’s DDR memory, allowing large amounts of data to be exchanged efficiently between software and FPGA logic.
Although it is physically small, the goal is not simply to create another FPGA board. We want to develop it into a reusable platform combining hardware, FPGA IP, Linux software, image processing, and high-speed communication, helping reduce development time for future embedded and FPGA projects.
今回は、現在開発している5cm角Zynqボードのスペックについて紹介したいと思います。
このボードでは、単にFPGAを小さな基板に載せるだけではなく、CPU、DDRメモリ、通信インターフェース、映像入出力などをまとめて搭載し、さまざまな用途に使える小型の開発プラットフォームを目指しています。

CPUとFPGAを1チップに搭載
今回使用しているZynqには、大きく分けて**CPU部分(PS)とFPGA部分(PL)**があります。
CPUには、ARMのCortex-A9 デュアルコアが搭載されています。
最新のCPUと比べると少し古い世代になりますが、Linuxを動作させることもでき、組み込み用途ではまだ十分実用的な性能を持っています。
そして、このボードで特に重要なのがPL、つまり書き換え可能なFPGAロジック部分です。
FPGA部分には約85K Logic Cellsを持っています。
画像処理、高速I/O制御、独自通信、リアルタイム処理など、CPUでは難しい処理をFPGA側に実装することができます。
CPUとFPGAを同じデバイス内で組み合わせて使えることが、Zynqの大きな特徴です。
DDR3メモリ 1GB
ZynqにはDDRメモリコントローラがハードウェアとして搭載されているため、外部DDRを直接接続できます。
今回の5cmボードでは、
DDR3 1GB
を搭載する予定です。
Linuxを動かしたり、画像データを扱ったり、FPGAとCPUの間で大量のデータをやり取りしたりする用途を考えると、DDRメモリは重要な部分になります。
Ethernet・USBにも対応
通信インターフェースとして、
- Ethernet
- USB
を外部に接続できる構成にしています。
ネットワーク接続やUSB機器との接続ができるため、単体のFPGAボードというより、組み込みLinuxを含めた小型コンピュータとして使うこともできます。
5V電源で動作
ボードの電源は5V入力です。
USB電源、または外部の5V電源から動作させることを想定しています。
できるだけ簡単に電源を供給できるようにして、開発時にも扱いやすいボードにしたいと考えています。
QSPI・eMMCから起動
起動用ストレージとして、
QSPI Flash
に加えて、
eMMC 8GB以上
を搭載する予定です。
試作段階では使用する部品や容量を変更する可能性がありますが、基本的には8GB程度以上のeMMCを搭載する方向で考えています。
LinuxをeMMCに入れておけば、電源を入れるだけで起動する小型システムとして使用できます。
USB Type-Cから直接JTAG接続
開発のしやすさも、このボードでは重要視しています。
ボード上にJTAGインターフェースを持たせており、USB Type-Cケーブルでパソコンと直接接続できるようにしています。
Xilinxの開発ツールがインストールされたパソコンであれば、外付けのJTAGアダプタを用意しなくても、USBケーブルを接続してFPGAの書き込みやデバッグができる構成を目指しています。
試作やデバッグでは、こうした小さな違いが意外と開発効率に効いてきます。
HDMI入出力
映像系として、HDMIインターフェースも搭載しています。
HDMIについては主にPL、つまりFPGA側で処理します。
回路構成を切り替える必要がありますが、
HDMI入力またはHDMI出力
として使用できるようにしています。
例えば、
- FPGAによるリアルタイム画像処理
- カメラ映像の加工
- 画像認識
- テストパターン生成
- CPUで生成した画面の表示
など、映像処理系の実験にも利用できます。
CPUとFPGAを組み合わせた画像処理は、今回のボードで試してみたい用途の一つです。
約70本の3.3V汎用I/O
外部回路との接続用として、3.3Vの汎用I/Oを約70本用意しています。
FPGAボードは、最終的には外部のセンサーやADC、DAC、モーター制御回路、通信回路などにつながって初めて本領を発揮します。
そのため、小型化しながらも、できるだけ多くのFPGA I/Oを外に出すようにしました。
ここはFPGAボードとしてかなり重要な部分だと思っています。
PCとの高速データ転送も検討中
まだこれから開発する部分ですが、PCとZynqボードのメモリ間で、高速にデータを転送するための仕組みも考えています。
例えば、
PC → 高速通信 → DDR → FPGA
あるいは、
FPGA → DDR → 高速通信 → PC
というデータ経路を作れれば、かなり面白い使い方ができます。
FPGAで取得した大量のデータをPCへ転送したり、逆にPCから大量のデータを送り込んでFPGAでリアルタイム処理したりすることも可能になります。
この部分については、ハードウェアだけではなくFPGA側のIPも含めて作っていきたいと思っています。
主なスペック
現時点での5cm Zynqボードの構成をまとめると、次のようになります。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| FPGA / SoC | Zynq |
| CPU | ARM Cortex-A9 デュアルコア |
| FPGA規模 | 約85K Logic Cells |
| DDR | DDR3 1GB |
| Ethernet | 対応 |
| USB | 対応 |
| 電源 | 5V |
| 起動デバイス | QSPI / eMMC |
| eMMC | 8GB以上を予定 |
| FPGA開発 | USB Type-C経由JTAG |
| HDMI | 入力または出力 |
| 汎用I/O | 3.3V 約70本 |
| 基板サイズ | 約5cm角 |
ただのFPGAボードで終わらせない
スペックだけを見ると、これは小型のZynq FPGAボードです。
ただ、今回作りたいのはボードそのものだけではありません。
この5cmボードをベースとして、FPGAのIP、Linuxソフトウェア、高速通信、画像処理などを少しずつ追加していき、開発の土台として使える環境にしていきたいと思っています。
すでに動く基本ボードがあれば、新しい案件ごとに毎回CPU、DDR、JTAG、電源などをゼロから設計する必要がありません。
必要な周辺回路だけを追加し、その案件特有のFPGAやソフトウェア開発に早い段階から取り掛かることができます。
5cmという小さな基板ですが、最終的には短期間でさまざまなシステムを作るための共通プラットフォームに育てていくつもりです。
まだ作るものはたくさんありますが、ハードウェアだけで終わらず、少しずついろいろな機能を追加していきたいと思っています。
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