5SQ Zynq基板――JLCPCBへの製造発注 | 有限会社 FPGAインフォメーション

BLOG & INFO

5SQ Zynq基板――JLCPCBへの製造発注

前回は、5SQ Zynq基板のRevAで見つかった問題と、それを反映したRevBの改修について紹介しました。

RevAでは、DDR用電源が正常に動かず、DDRを使用できない問題が見つかりました。また、USBコネクタのフットプリントにも不適合がありました。

そこでRevBでは、DDR用電源回路とUSBコネクタを修正し、リセットICも追加しました。

5SQ Zynq基板としては、このRevBが、設計レビューにGPT-6 Astraを本格的に使用した最初のバージョンです。

今回は、完成したRevBの製造データをJLCPCBへ登録し、基板製造と部品実装を発注したときの流れを紹介します。

RevAで見つかった問題をRevBへ反映

RevAで特に大きかったのは、DDR用電源回路の問題です。

DDR用電源ICの制御端子に対する論理の理解が逆になっていたため、電源が意図した状態で動作しませんでした。その結果、RevAではDDRを使用できないと判断しました。

RevAのすべてが動かなかったわけではありませんが、DDRが使えなければ、Zynq基板として想定していた用途は大きく制限されます。

そのためRevBでは、まずDDR用電源回路を修正しました。

同時に、RevAで問題になったUSBコネクタのフットプリントも直しました。さらに、レビューで警告が出ていたリセット周辺を見直し、RevBにはリセットICを追加しています。

RevBへ反映した主な変更は次のとおりです。

  • DDR用電源回路の修正
  • USBコネクタ用フットプリントの修正
  • リセットICの追加
  • 関連部品とフットプリントの再確認
  • 回路図とPCBデータの再レビュー

これらの変更について、GPT-6 Astraにデータシートや設計データを確認してもらいながら作業を進めました。

ただし、どの修正を採用するか、RevBとして製造へ進めるかは、最終的に私が判断しています。

RevBの製造データを用意する

回路図とPCBの修正が終わった後、JLCPCBへ提出する製造データを用意しました。

基板製造と部品実装を依頼する場合、一般的には次のようなデータが必要になります。

  • Gerberデータ
  • ドリルデータ
  • BOM
  • 部品配置データ
  • 基板の製造条件
  • 実装する部品の情報

ここで重要なのは、KiCad上で設計が完成していても、JLCPCBへ正しい形式でデータを渡せなければ製造できないことです。

部品番号、部品型番、LCSC番号、実装面、座標、回転方向などがずれていると、JLCPCB側で確認が必要になったり、意図しない実装になったりする可能性があります。

今回も、設計データと製造用ファイルの対応を確認したうえで、JLCPCBへアップロードしました。

JLCPCBへの登録操作は自分で行った

GPT-6 AstraにはWeb画面を操作させる方法もあるようですが、この時点では、私はまだその使い方に慣れていませんでした。

そのため、JLCPCBの画面操作は自分で行いました。

製造データをアップロードし、基板仕様を設定して、部品表と部品配置データを登録します。その後、JLCPCB側の表示を見ながら、部品と配置が正しいかを確認しました。

この作業をGPT-6 Astraへ完全に任せたわけではありません。

今回の役割分担は次のようになりました。

GPT-6 Astraに任せたこと

  • 設計内容のレビュー
  • 部品情報やフットプリントの確認補助
  • JLCPCB画面のスクリーンショット確認
  • 大きな部品が正しく選択されているかの確認補助

人間が行ったこと

  • JLCPCBへのログイン
  • 製造ファイルのアップロード
  • 基板仕様の入力
  • BOMと部品配置データの登録
  • 部品選択の最終確認
  • 注文内容と金額の確認
  • 支払い
  • 発注の最終判断

AIに確認を手伝ってもらいましたが、発注操作と最終判断は自分で行っています。

大きな部品はスクリーンショットで確認した

JLCPCBでは、BOMを登録した後、各部品が正しい部品へ割り当てられているかを確認する必要があります。

特に大きなICやコネクタなどを間違えると、基板全体へ大きな影響が出ます。

今回は、JLCPCBの部品確認画面をスクリーンショットにして、GPT-6 Astraへ渡しました。その画像と設計情報を見せて、選択した部品に問題がないかを一緒に確認しました。

すべての抵抗やコンデンサを画像で一つずつ確認させたわけではありません。主に、間違えた場合の影響が大きい部品を対象にしました。

例えば、次のような部品は優先して確認する価値があります。

  • Zynq
  • DDRメモリ
  • eMMC
  • QSPIフラッシュ
  • USB PHY
  • Ethernet PHY
  • 電源IC
  • リセットIC
  • USBやEthernetなどのコネクタ

今回、スクリーンショットで確認した範囲では、大きな問題は見つかりませんでした。

今回は追加の問い合わせがなかった

これまでJLCPCBへ部品実装を依頼したときには、製造途中で確認のメールが届くことがありました。

部品の向き、代替部品、実装条件、BOMとの不一致などについて、確認を求められることがあります。

しかし、今回のRevBでは、通常の確認工程以外に、設計や部品選択の問題を指摘する追加の問い合わせはありませんでした。

最初からGPT-6 Astraで部品情報やフットプリントを確認し、さらにJLCPCBの部品確認画面も見直したことで、発注後の手戻りを減らせた可能性があります。

ただし、今回は追加確認がなかったという結果だけで、すべてがAIの効果だったと断定することはできません。基板の内容、部品の在庫、JLCPCB側の確認方法など、ほかの条件も影響します。

それでも、発注前の確認を増やしたことで、以前より安心して製造へ進められました。

発注はアップロードと確認、支払いで完了

JLCPCBでは、必要なファイルを登録し、製造条件と部品を確認した後、注文内容と金額を確認して支払います。

今回の作業も、最終的には次の流れでした。

  1. 基板製造データをアップロードする
  2. 基板仕様を設定する
  3. BOMと部品配置データを登録する
  4. JLCPCB上で部品を割り当てる
  5. 大きな部品を中心に確認する
  6. 実装方向や配置を確認する
  7. 注文内容と金額を確認する
  8. 支払いを行う
  9. JLCPCB側の確認と製造を待つ

発注作業そのものは、ファイルと内容が正しければ、それほど複雑ではありません。

難しいのは、アップロードする前の設計データが本当に正しいか、JLCPCB上で選択された部品が設計意図と一致しているかを確認する部分です。

完成までは10日から2週間程度を見込んだ

私のこれまでの経験では、JLCPCBへ発注してから基板が届くまで、製造、実装、検査、輸送を含めて、おおむね10日から2週間程度を見ることが多いです。

もちろん、これは保証された納期ではありません。

基板仕様、実装部品数、部品在庫、検査内容、配送方法、通関などによって期間は変わります。

今回も、発注後はJLCPCB側の製造状況を確認しながら、RevB基板の完成を待つことになりました。

将来はJLCPCBの確認作業も自動化したい

今回は、JLCPCBへのファイル登録と発注操作を自分で行いました。

一方で、GPT-6 Astraにはブラウザ画面を確認し、操作する機能もあります。ログイン後のJLCPCB画面を操作し、登録された部品や実装方向を自動的に確認する方法も考えられます。

ただし、今回の発注ではそこまで実施していません。

将来的には、次のような流れを試してみたいと思っています。

  1. 設計データから製造ファイルを作成する
  2. JLCPCBへファイルをアップロードする
  3. BOMと部品配置データを登録する
  4. 部品型番とLCSC番号を照合する
  5. 部品画像とフットプリントを比較する
  6. 実装方向を確認する
  7. 問題がある箇所だけ人間へ報告する
  8. 人間が最終確認して発注する

ここまでできれば、基板設計から製造発注までの作業をかなり連続的に進められます。

ただし、支払いや最終発注については、金額と製造内容を人間が確認してから実行する運用が必要です。

AIを使っても、発注の最終責任は人間に残る

GPT-6 Astraは、部品の照合や画面の確認に役立ちました。

特に、設計者一人で大量の部品を確認すると、思い込みや見落としが発生しやすくなります。別の視点から部品情報や画像を確認してもらえることには意味があります。

しかし、AIが「問題ありません」と回答したことだけを理由に発注することはできません。

今回も、最終的には私が次の点を確認しました。

  • 製造対象がRevBのデータになっているか
  • 基板外形と層数が正しいか
  • 部品型番とLCSC番号が合っているか
  • 主要部品が正しく選択されているか
  • 部品の実装面と向きが正しいか
  • 注文数量と金額が正しいか
  • 公開してはいけない情報が画面に含まれていないか

AIは確認作業を補助しましたが、発注の責任までAIへ移したわけではありません。

RevBの製造を待つ

こうして5SQ Zynq基板のRevBをJLCPCBへ発注しました。

RevAで見つかったDDR用電源とUSBコネクタの問題を修正し、リセットICも追加しました。さらに、GPT-6 Astraを使って、部品、フットプリント、製造画面を確認しています。

発注時点では大きな問題は見つからず、JLCPCBから追加の問い合わせもありませんでした。

次は、完成したRevB基板が届いてからの確認です。

設計レビューと発注が問題なく進んでも、実際に電源を入れて動作するまでは安心できません。次回以降は、RevBの電源確認、JTAG認識、Zynqの起動確認などを紹介していきます。

English Summary

This article describes how I submitted RevB of my 5SQ Zynq board for manufacturing and assembly by JLCPCB.

RevA had two major problems: the DDR power supply did not operate as intended, and the USB connector footprint was physically incompatible with the selected connector. For RevB, I corrected these issues and added a reset IC.

RevB was the first version of this board to receive extensive design review with GPT-6 Astra.

I manually uploaded the manufacturing files to JLCPCB because I was not yet familiar with using AI to operate the ordering interface. I registered the PCB data, BOM, and component placement information, then checked the selected parts and completed the payment myself.

For major components, I captured screenshots of the JLCPCB confirmation screens and asked GPT-6 Astra to help verify the selections. No significant problem was found during this review.

Unlike some previous orders, this order did not generate additional questions about the design or component selection beyond the normal confirmation process. This may have been helped by the additional review, although it cannot be attributed to AI alone.

Based on my previous experience, I expected manufacturing, assembly, inspection, and shipping to take approximately 10 days to two weeks. The actual delivery period can vary depending on the board specification, component availability, inspection, and shipping conditions.

In the future, I would like to test a more automated workflow in which GPT-6 Astra checks the JLCPCB interface, verifies component assignments and orientations, and reports only the items requiring human judgment. Final ordering and payment should still remain under human control.

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記 / 利用規約

Copyright © 2026 有限会社FPGAインフォメーション All Rights Reserved.

CLOSE