基板開発で時間がかかるところ ― 回路図と部品選定
プリント基板を作るとき、時間がかかる工程の一つが回路図の作成です。
ただ、実際には「回路図を描くこと」そのものよりも、
どの部品を使うかを決めること
のほうが時間がかかることがあります。
例えば、
- どのようなインターフェースを使うのか
- どのICを使うのか
- 電源ICをどうするのか
- 周辺部品に何が必要なのか
- その部品が現在入手できるのか
といったことを一つずつ決めていく必要があります。

データシートを確認しながら回路を作る
現在、多くの半導体メーカーがデータシートをインターネット上で公開しています。
回路を作るときは、そのデータシートを確認しながら、
「このピンには何を接続するのか」
「電源にはどんなコンデンサが必要なのか」
「未使用端子はどう処理するのか」
といったことを確認していきます。
さらにEDAツールで使う回路図シンボルがなければ、自分で作る必要もあります。
部品点数が増えてくると、この作業だけでもかなりの時間になります。
最近はライブラリを使って短縮できる
一方で、最近は以前作った回路を使い回したり、インターネット上で公開されている回路図シンボルや部品ライブラリを利用したりすることもできます。
もちろん、公開されているライブラリだからといって、そのまま信用するのは危険です。
ピン番号や端子名がデータシートと一致しているかは確認する必要があります。
それでも、すべてをゼロから作るよりはかなり時間を短縮できます。
FPGAはピン配置に自由度がある
ここで少し面白いのがFPGAです。
一般的なマイコンや専用ICでは、
「この信号はこのピン」
と決まっていることが多いのですが、FPGAの汎用I/Oは比較的自由にピンを選ぶことができます。
もちろん、クロック入力や専用端子、I/Oバンクの電圧など制約はあります。
しかし、それ以外の一般的な信号であれば、かなり自由に配置できます。
そのため、自分の場合は回路図を書く段階では、使用可能なI/Oへある程度仮に割り当ててしまうことがあります。
そして、実際にプリント基板のパターンを引きながら、
「この信号はこっちのピンのほうが配線しやすい」
となったら、FPGA側のピン配置を変更します。
回路図だけで最適化しない
これは少し変わった設計方法に見えるかもしれません。
しかし、基板全体の開発時間を考えると、回路図だけを完璧に仕上げるより、
回路図とパターン設計を合わせて考える
ほうが早くなることがあります。
特にピン数の多いFPGAでは、回路図上では問題なく見えても、実際に基板へ配線しようとすると信号線が交差してしまうことがあります。
そこでFPGAのピン配置を変更すると、パターンが驚くほど簡単になることもあります。
最近、自分がFPGA基板を設計するときは、
回路図で全部を決めきらず、パターン設計で調整できる部分を残しておく
という作り方をすることが増えました。
回路図を早く仕上げるだけでなく、その後のパターン設計まで含めた開発時間を短縮するためです。
次回は、この回路図とパターン設計の関係について、もう少し詳しく紹介してみたいと思います。
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